Bluepoint Games閉鎖——Demon’s Soulsリメイクの名手を、ソニーは買収後1本も出さずに切り捨てた

Bluepoint Games閉鎖——Demon’s Soulsリメイクの名手を、ソニーは買収後1本も出さずに切り捨てた

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STUDIO CLOSURE
出典:Bloomberg(2026.02.19)/ Kotaku / PC Gamer
Bluepoint Games、閉鎖

Demon’s Souls Remakeでゲーム業界のリメイクの基準を塗り替えたスタジオが、ソニーに買収されてから1本も出荷できないまま消えました。約70名が解雇

この記事のポイント
  • ソニーが2021年に買収したBluepoint Gamesを2026年3月に閉鎖。約70名が解雇
  • 買収後はGod of Warライブサービスの開発を命じられ、キャンセル。Bloodborneリメイクはフロム・ソフトウェアが拒否
  • Demon’s Soulsリメイク(Metacritic 92)でPS5の顔だったスタジオが、1本も出荷しないまま消滅
目次

20年間「不評ゼロ」のスタジオ

Bluepoint Gamesは2006年にテキサス州オースティンで設立されました。創設者のAndy O’NeilとMarco Thrushは、Retro StudiosでMetroid Primeの開発に携わったエンジニアです。

20年のキャリアで手がけた全タイトルが好評以上——不評はゼロ。「リメイクの名手」という称号は、数字が裏付けていました。

タイトルMetacritic
God of War Collection200991
ICO & Shadow of the Colossus Collection201192
Metal Gear Solid HD Collection201186
Uncharted: The Nathan Drake Collection201586
Shadow of the Colossus(フルリメイク)201891
Demon’s Souls(フルリメイク)202092

Demon’s Souls RemakeはPS5のローンチタイトルとして「近年のどのハードウェアでも最高のローンチタイトル」と評されました。PS5を買う理由そのものだったと言っても過言ではありません。

買収、そして迷走

2021年9月、ソニーはBluepointを買収してPlayStation Studios傘下に入れました。買収金額は非公開です。

その後の流れは、ひと言で言えば「悲劇」です。

2021年9月
ソニーがBluepointを買収。PlayStation Studios傘下に
買収後
God of Warライブサービスタイトルの開発を指示される。スタッフから「自分たちはリメイクの専門家で、ライブサービスは畑違い」と不満の声
2025年1月
God of Warライブサービスがキャンセル。進捗不足が原因
2025年初頭
BloodborneリメイクをピッチするもフロムSWが拒否。Shadow of the Colossus再リメイクもソニーが却下
2026年2月
ソニーがBluepointの閉鎖を発表。3月に実施、約70名解雇

リメイクの専門集団にライブサービスを作らせ、失敗したら閉鎖する——この意思決定プロセスへの批判がコミュニティに集中しました。

Bloodborneリメイクはなぜ実現しなかったのか

Bluepointの最後の望みはBloodborneリメイクでした。Bloombergの報道によると、ソニー側は「数字的にはリメイクの合理性がある」と認めたものの、フロム・ソフトウェアがこれを拒否しました。

元PlayStationエグゼクティブの吉田修平氏は、フロムの宮崎英高社長について「Bloodborneリメイクには興味はあるだろうが、他のスタジオに触らせたくないのではないか。ただしフロム自身は多忙で手が回らない」と推測しています。

結果として、新プロジェクトが承認されないまま、Bluepointは閉鎖に至りました。

PS5世代で消えた8つのスタジオ

Bluepointの閉鎖は孤立した出来事ではありません。PS5世代(2020年〜)でソニーが閉鎖したPlayStation Studiosは8つに達しています。

スタジオ備考
2020Manchester Studio
2021Japan StudioTeam ASOBIに再編
2023PixelOpus
2024London Studio20年以上の歴史。VR開発
2024Firewalk StudiosConcord開発元。発売2週間で撤退
2024Neon Koi1本も出荷せず
2026Bluepoint Games買収後1本も出荷せず
2026Dark Outlaw Games1本も出荷せず

このうちNeon Koi、Bluepoint、Dark Outlawの3スタジオは買収後に1本もタイトルを出荷しないまま閉鎖されています。Firewalkはタイトルを出しましたが、Concordは発売2週間でサービス終了という前代未聞の結末でした。

ソニーの「戦略迷走」の象徴

Bluepointの閉鎖は、ソニーがPS5世代で経験した一連の失敗の流れの中にあります。

ライブサービスへの大転換を掲げ、Concord(Firewalk)やGod of Warライブサービス(Bluepoint)に投資。しかしConcordは歴史的な大失敗に終わり、God of Warライブサービスもキャンセル。その結果、開発に携わったスタジオが次々と閉鎖されました。

現在のソニーはPC移植の打ち切りPS5の大幅値上げを同時に進め、「コンソール独占回帰」に舵を切っています。リメイクの名手を失い、ライブサービスに失敗し、PC市場から撤退する——この方向が長期的に正しいかどうか、答えはまだ出ていません。

まとめ——消えた「可能性」

Bluepoint Gamesの閉鎖で失われたのは、70人の雇用だけではありません。

Bloodborneリメイク。Metal Gear Solidフルリメイク。inFamous。Jak and Daxter。ファンが夢見ていたPlayStationの名作リメイクの「可能性」が、このスタジオとともに消えました。

20年間不評ゼロ。Metacritic 92のDemon’s Souls Remake。そのスタジオを買収し、得意分野と異なる仕事を命じ、失敗したら閉鎖する。Bluepointの物語は、ゲーム業界における「買収」が必ずしも開発者の幸せにつながらないことを、痛烈に物語っています。

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ゲーミングスタイル管理人

自作PC愛好家・ゲーム歴15年超

ゲーミングPC歴は15年以上。毎年パーツを更新しながら最新トレンドを追いかけています。初心者にもわかりやすく、上級者も満足できる情報発信を心がけています。