Bluepoint Games閉鎖——Demon’s Soulsリメイクの名手を、ソニーは買収後1本も出さずに切り捨てた
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Demon’s Souls Remakeでゲーム業界のリメイクの基準を塗り替えたスタジオが、ソニーに買収されてから1本も出荷できないまま消えました。約70名が解雇
- ソニーが2021年に買収したBluepoint Gamesを2026年3月に閉鎖。約70名が解雇
- 買収後はGod of Warライブサービスの開発を命じられ、キャンセル。Bloodborneリメイクはフロム・ソフトウェアが拒否
- Demon’s Soulsリメイク(Metacritic 92)でPS5の顔だったスタジオが、1本も出荷しないまま消滅
目次
20年間「不評ゼロ」のスタジオ
Bluepoint Gamesは2006年にテキサス州オースティンで設立されました。創設者のAndy O’NeilとMarco Thrushは、Retro StudiosでMetroid Primeの開発に携わったエンジニアです。
20年のキャリアで手がけた全タイトルが好評以上——不評はゼロ。「リメイクの名手」という称号は、数字が裏付けていました。
| タイトル | 年 | Metacritic |
|---|---|---|
| God of War Collection | 2009 | 91 |
| ICO & Shadow of the Colossus Collection | 2011 | 92 |
| Metal Gear Solid HD Collection | 2011 | 86 |
| Uncharted: The Nathan Drake Collection | 2015 | 86 |
| Shadow of the Colossus(フルリメイク) | 2018 | 91 |
| Demon’s Souls(フルリメイク) | 2020 | 92 |
Demon’s Souls RemakeはPS5のローンチタイトルとして「近年のどのハードウェアでも最高のローンチタイトル」と評されました。PS5を買う理由そのものだったと言っても過言ではありません。
買収、そして迷走
2021年9月、ソニーはBluepointを買収してPlayStation Studios傘下に入れました。買収金額は非公開です。
その後の流れは、ひと言で言えば「悲劇」です。
リメイクの専門集団にライブサービスを作らせ、失敗したら閉鎖する——この意思決定プロセスへの批判がコミュニティに集中しました。
Bloodborneリメイクはなぜ実現しなかったのか
Bluepointの最後の望みはBloodborneリメイクでした。Bloombergの報道によると、ソニー側は「数字的にはリメイクの合理性がある」と認めたものの、フロム・ソフトウェアがこれを拒否しました。
元PlayStationエグゼクティブの吉田修平氏は、フロムの宮崎英高社長について「Bloodborneリメイクには興味はあるだろうが、他のスタジオに触らせたくないのではないか。ただしフロム自身は多忙で手が回らない」と推測しています。
結果として、新プロジェクトが承認されないまま、Bluepointは閉鎖に至りました。
PS5世代で消えた8つのスタジオ
Bluepointの閉鎖は孤立した出来事ではありません。PS5世代(2020年〜)でソニーが閉鎖したPlayStation Studiosは8つに達しています。
| 年 | スタジオ | 備考 |
|---|---|---|
| 2020 | Manchester Studio | — |
| 2021 | Japan Studio | Team ASOBIに再編 |
| 2023 | PixelOpus | — |
| 2024 | London Studio | 20年以上の歴史。VR開発 |
| 2024 | Firewalk Studios | Concord開発元。発売2週間で撤退 |
| 2024 | Neon Koi | 1本も出荷せず |
| 2026 | Bluepoint Games | 買収後1本も出荷せず |
| 2026 | Dark Outlaw Games | 1本も出荷せず |
このうちNeon Koi、Bluepoint、Dark Outlawの3スタジオは買収後に1本もタイトルを出荷しないまま閉鎖されています。Firewalkはタイトルを出しましたが、Concordは発売2週間でサービス終了という前代未聞の結末でした。
ソニーの「戦略迷走」の象徴
Bluepointの閉鎖は、ソニーがPS5世代で経験した一連の失敗の流れの中にあります。
ライブサービスへの大転換を掲げ、Concord(Firewalk)やGod of Warライブサービス(Bluepoint)に投資。しかしConcordは歴史的な大失敗に終わり、God of Warライブサービスもキャンセル。その結果、開発に携わったスタジオが次々と閉鎖されました。
現在のソニーはPC移植の打ち切りとPS5の大幅値上げを同時に進め、「コンソール独占回帰」に舵を切っています。リメイクの名手を失い、ライブサービスに失敗し、PC市場から撤退する——この方向が長期的に正しいかどうか、答えはまだ出ていません。
まとめ——消えた「可能性」
Bluepoint Gamesの閉鎖で失われたのは、70人の雇用だけではありません。
Bloodborneリメイク。Metal Gear Solidフルリメイク。inFamous。Jak and Daxter。ファンが夢見ていたPlayStationの名作リメイクの「可能性」が、このスタジオとともに消えました。
20年間不評ゼロ。Metacritic 92のDemon’s Souls Remake。そのスタジオを買収し、得意分野と異なる仕事を命じ、失敗したら閉鎖する。Bluepointの物語は、ゲーム業界における「買収」が必ずしも開発者の幸せにつながらないことを、痛烈に物語っています。

