2026年6月セキュアブート証明書失効問題|古いグラボが起動不能になる前に確認すべきこと

2026年6月セキュアブート証明書失効問題|古いグラボが起動不能になる前に確認すべきこと

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WARNING
2026年6月、古いグラボが起動不能になるかもしれない
セキュアブート証明書の失効で何が起きるのか。影響範囲と対処法を整理します

2026年6月、Microsoftの「UEFI CA 2011」証明書が失効します。この証明書で署名されたGPUのvBIOSはセキュアブート環境で読み込めなくなり、最悪の場合、画面が一切映らないブラックスクリーン状態に陥ります。iGPU非搭載のデスクトップPCでは、BIOS画面にすらたどり着けない「ソフトブリック」になるリスクがあります。

影響を受けるのは、主に2023年以前に製造されたグラフィックボードです。NVIDIAのGTX 700シリーズからRTX 30の一部初期ロット、AMDのRX 500からRX 6000シリーズが該当する可能性があります。RTX 40/50シリーズは2023年版の新しい証明書で署名されているため、基本的に心配は不要です。

この記事では「何が起きるのか」の技術的な仕組みをかみ砕いて説明し、GPU世代別のリスク一覧、VALORANTなどセキュアブート必須タイトルとの関係、そして具体的な対処法4ステップまで一本にまとめました。「自分のグラボは大丈夫なのか」をこの記事だけで判断できる構成にしています。

目次

30秒で分かるまとめ

安全
RTX 40 / RTX 50 シリーズ

2023年版の新しい証明書で署名済み。セキュアブートを有効にしたまま問題なく使えます。特別な対処は不要です。

要確認
RTX 30 シリーズ(後期ロット)

製造時期によって証明書が異なります。後期ロットは新証明書の可能性がありますが、vBIOSのバージョンを確認するまでは安心できません。

高リスク
GTX 700〜GTX 16 / RTX 20 / RTX 30初期

旧証明書で署名されている可能性が高く、セキュアブート有効のままでは起動不能になるリスクがあります。早めの確認・対処を推奨します。

何が起きるのか——証明書失効からブラックスクリーンまで

「証明書が失効するとグラボが壊れる」わけではありません。物理的な故障ではなく、セキュリティの仕組みがGPUの起動コードを「信頼できないもの」として拒否することが問題です。順を追って説明します。

1
PCの電源を入れると、UEFIがまずGPUのGOP(Graphics Output Protocol)を読み込む GOPはグラフィックボードのvBIOS内にある画面出力用のドライバで、OSが起動する前の段階で画面を映すために必要です。BIOSセットアップ画面やOSのブートローダーの表示もGOPが担っています。
2
セキュアブートが有効な場合、UEFIはGOPの電子署名を検証する 正規の署名がないコードの実行を拒否することで、ブートプロセスの改ざんを防いでいます。この検証に使われるのが「UEFI CA 2011」証明書です。
3
2026年6月、この証明書が有効期限を迎えて失効する 失効後は、古い証明書で署名されたGOPが「期限切れの署名」として信頼されなくなります。UEFIはGOPの読み込みを拒否し、画面出力が始まりません。
4
画面出力なし=ブラックスクリーン。iGPUがなければBIOS設定すら変更できない CPUに内蔵グラフィックス(iGPU)があればモニターをマザーボード側に接続してBIOSに入れますが、Ryzen(F付き以外でも映像出力端子がないマザーボードの場合)やiGPU非搭載CPUでは画面を映す手段がなくなります。
GPUが壊れるわけではない ハードウェアとしてのグラフィックボードは正常なままです。セキュアブートを無効にすれば画面は映りますし、vBIOSが更新されれば元通り使えます。ただし「画面が映らない状態でセキュアブートを無効にする」のはiGPUがないと非常に難しいのが厄介なポイントです。

影響を受けるGPU一覧

2023年以前に製造・出荷されたGPUは旧証明書で署名されている可能性があります。以下は2026年3月時点で判明している情報をもとに整理したものです。

GPU世代リスク補足
RTX 5090 / 5080 / 5070 Ti / 5070 / 5060 Ti安全2023年版証明書で署名済み。対処不要
RTX 4090 / 4080 / 4070 Ti / 4070 / 4060 Ti / 4060安全2023年版証明書で署名済み。対処不要
RTX 3090 / 3080 / 3070 / 3060(後期ロット)要確認2023年以降の製造分は新証明書の可能性あり。vBIOSバージョンで判断
RTX 3090 / 3080 / 3070 / 3060(初期ロット)高リスク2020〜2022年製造の初期ロットは旧証明書の可能性が高い
RTX 2080 Ti / 2080 / 2070 / 2060高リスク旧証明書で署名。メーカーからのvBIOS更新は未発表
GTX 1660 / 1650 / 1080 Ti / 1080 / 1070 / 1060高リスク旧証明書で署名。vBIOS更新が提供されるかは不透明
GTX 900 / 700 シリーズ高リスク旧証明書。サポート終了世代のためvBIOS更新は期待薄
AMD RX 7900 / 7800 / 7700 / 7600要確認2023年以降の製品だが、AMDから明確な声明がない
AMD RX 6900 / 6800 / 6700 / 6600要確認影響の可能性あり。AMD側の情報開示待ち
AMD RX 5700 / 5600 / 500シリーズ高リスク旧証明書の可能性が高い。公式情報なし
AMD RX 9070 XT / 9070安全2025年発売。新しい証明書で署名済みと想定
AMD製GPUに関する注意 AMDはこの問題について2026年3月時点で具体的な声明を出していません。RX 7000シリーズ以降は新証明書である可能性が高いものの、確定情報ではありません。RX 6000以前をお使いの方は、AMDの公式情報やドライバリリースノートを注視してください。

ゲーマーへの深刻な影響——セキュアブートを切れない時代

「セキュアブートをOFFにすればいいだけでは?」と思うかもしれません。数年前ならそれで済んだ話ですが、2026年の今、事情は変わっています。

VALORANTのRiot Vanguardはセキュアブート必須

VALORANTのアンチチートシステム「Riot Vanguard」は、Windows 11環境ではセキュアブートとTPM 2.0を有効にすることが起動条件です。セキュアブートをOFFにした瞬間、VALORANTはプレイできなくなります。国内PCゲーマーにとって影響は非常に大きいと言えます。

セキュアブート必須化の流れは加速している

Riot Games以外にも、セキュアブートをアンチチートの前提条件とするタイトルは増えています。バトルフィールドシリーズやCall of Dutyシリーズの最新作でも同様の要件が導入され始めています。今後リリースされるオンライン対戦タイトルでは、セキュアブート必須がスタンダードになっていく流れです。

つまりこういうことになる

セキュアブートON

証明書失効後、旧GPUでは画面が映らない

or
セキュアブートOFF

画面は映るが、VALORANTや一部タイトルが起動不可

旧世代GPUを使い続けるゲーマーは、この二択を迫られる可能性があります。根本的な解決策はvBIOSの更新か、新しい証明書に対応したGPUへの買い替えです。

対処法4ステップ

まだ慌てる時期ではありません。2026年6月の失効日までに、以下の手順で確認と対策を進めてください。優先度の高い順に並べています。

1
Windows Updateを最新の状態にする Microsoftは証明書データベース(DBX)の更新をWindows Updateで配信しています。2026年3月時点で、新しいUEFI CA 2023への移行を段階的に進めている最中です。まずはWindows Updateを実行して、すべての更新プログラムが適用されていることを確認してください。
2
マザーボードのBIOS/UEFIを最新版に更新する マザーボードメーカー(ASUS・MSI・Gigabyte・ASRock等)がUEFIの証明書データベースを更新したBIOSをリリースする可能性があります。メーカーのサポートページで自分のマザーボード型番を検索し、最新BIOSが出ていないか確認してください。
3
GPU vBIOSの更新情報を確認する NVIDIA・AMDがGPUのvBIOSを新しい証明書で再署名して配布すれば、根本的な解決になります。ただし2026年3月時点では、旧世代GPU向けのvBIOS更新は発表されていません。各メーカーの公式サイトやドライバリリースノートを定期的にチェックしてください。
4
最終手段:セキュアブートを無効にする 上記の方法で解決できない場合は、UEFIセットアップでセキュアブートを無効にすることで起動は可能です。ただしVALORANTをはじめとするセキュアブート必須のゲームはプレイできなくなります。あくまで他の手段が使えない場合の一時的な回避策として考えてください。
iGPU搭載CPUなら安心 Intel Core(Fなし)やRyzen APU(Gモデル)など、CPU内蔵グラフィックスがある環境では、万が一GPUの画面出力が止まってもマザーボード側の映像端子から画面を映せます。BIOS設定の変更も可能なので、最悪のケースでも復旧は容易です。

自分のGPUが影響を受けるか確認する方法

現時点では「このvBIOSバージョンなら安全」という公式リストは存在しません。ただし、自分の環境がリスクにさらされているかどうかの目安は確認できます。

セキュアブートの状態を確認する

そもそもセキュアブートが無効になっていれば、証明書失効の影響は受けません。以下の手順で確認できます。

1
Windowsキー + R を押して「msinfo32」と入力し、Enter
2
「システム情報」が開くので、左ペインの「システムの概要」を選択
3
右ペインで「セキュア ブートの状態」を探す
4
「有効」と表示されていたら影響を受ける可能性あり。「無効」なら証明書失効の直接的な影響はなし(ただしVALORANT等は起動不可)

GPUの世代を確認する

タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)の「パフォーマンス」タブ→「GPU」で、使用中のGPU名が表示されます。上のGPU一覧テーブルと照らし合わせて、自分のGPUがどのリスクレベルに該当するか確認してください。

vBIOSバージョンを確認する(上級者向け)

NVIDIAの場合、GPU-Zなどのツールでvbiosバージョンを確認できます。ただし、どのバージョンが新証明書に対応しているかの公式情報がまだ出ていないため、現時点ではバージョン番号だけで安全性を判断することはできません。NVIDIA・AMDが対応表を公開し次第、追記します。

タイムラインと今後の見通し

時期内容
現在(2026年3月)Windows Updateで証明書データベースの更新が進行中。NVIDIA・AMDのvBIOS対応は未発表
2026年6月Microsoft UEFI CA 2011 が失効。旧証明書で署名されたGOPがセキュアブート環境で拒否される
2026年10月Windows Production PCA 2011 が失効。Windowsのブートローダー署名にも影響する可能性

Microsoftは証明書の移行を2024年頃から段階的に進めており、最新のWindows UpdateとBIOSアップデートを適用していれば、多くの環境では自動的に移行が完了する見込みです。ただし、vBIOSの署名はGPUメーカー側の対応が必要なため、古いGPUほど対応が遅れる(あるいは対応されない)リスクがあります。

よくある質問

証明書が失効すると、GPUが物理的に壊れるのですか?
いいえ、ハードウェアとしては正常なままです。セキュアブートの検証プロセスでGOPの署名が信頼されなくなるだけで、セキュアブートをOFFにすれば画面は映ります。vBIOSの更新があれば、セキュアブートONのままでも使えるようになります。
RTX 30シリーズを使っていますが、自分のカードが安全か分かりません
RTX 30シリーズは製造時期によって署名に使われた証明書が異なる可能性があります。2023年以降に購入した後期ロットは新証明書の可能性がありますが、確実に判断するにはNVIDIAからの公式情報を待つ必要があります。Windows Updateとマザーボードのbios更新は先に済ませておくことを推奨します。
セキュアブートをOFFにすればVALORANT以外のゲームは全部動きますか?
2026年3月時点では、VALORANTのRiot Vanguard以外にセキュアブートを「完全に必須」とするタイトルは限定的です。ただし今後増える可能性が高いため、セキュアブートOFFは長期的な解決策にはなりません。
ノートPCのGPUも影響を受けますか?
はい、ノートPC向けのモバイルGPU(GTX 1650 Mobile、RTX 2060 Mobileなど)も同じ証明書で署名されていれば影響を受けます。ただしノートPCのBIOSアップデートはメーカーが一括管理していることが多く、ラップトップメーカー(Dell、HP、Lenovo等)からのアップデートで対処される可能性があります。
今すぐ何かしなければいけませんか?
慌てる必要はありませんが、準備はしておくべきです。今すぐやるべきことは2つ。Windows Updateをすべて適用することと、マザーボードのBIOSを最新版に更新することです。この2つで多くの環境は自動的に移行が進みます。GPU vBIOSの更新はメーカーの対応待ちなので、公式情報を定期的にチェックしてください。

まとめ

2026年6月のUEFI CA 2011証明書失効は、RTX 30以前のGPUを使っているゲーマーにとって無視できない問題です。セキュアブートが有効な環境では画面が映らなくなるリスクがあり、かといってセキュアブートをOFFにすればVALORANTなどのタイトルがプレイできなくなります。

ただし、まだ時間はあります。Windows Updateの適用、マザーボードBIOSの更新、NVIDIA・AMDのvBIOS更新情報のチェック。この3点を押さえておけば、6月の失効日を落ち着いて迎えられるはずです。RTX 40/50世代の方は心配不要ですが、旧世代GPUの方は一度セキュアブートの状態とGPU世代だけでも確認しておくことを強くおすすめします。

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ゲーミングスタイル管理人

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