AMD Radeon RX 9070のスペック・性能・ベンチマークを徹底解説

2025年10月8日
AMD Radeon RX 9070のスペック・性能・ベンチマークを徹底解説

AMDの新世代GPU「Radeon RX 9000シリーズ」の中でも、RX 9070はWQHD〜4Kゲーミングをターゲットにした上位モデルとして登場しました。最新アーキテクチャ「RDNA 4」を採用し、前世代のRX 7900 XTから大幅な効率改善と省電力化を実現しています。本記事では、RX 9070のスペック、実際のベンチマーク結果、競合モデルとの比較まで詳しく紹介します。

Radeon RX 9070の基本スペック

AMD Radeon RX 9070と競合モデルの仕様比較
RX 9070 RX 9060 XT RTX 5070 Ti
アーキテクチャ RDNA 4 RDNA 4 Blackwell
演算ユニット(CU) 56基 64基
ストリームプロセッサ 3584 8,192 8,960(CUDAコア)
ゲームクロック 2070 MHz 2.3GHz 2.45GHz
ブーストクロック 最大 2520 MHz 2.45GHz 2.51GHz
VRAM 16 GB GDDR6 16GB GDDR7 16GB GDDR7
メモリバス 256bit 256bit 256bit
TDP 220W 220W 300W
推奨電源 650W 650W 750W

RX 9070は20GBの大容量GDDR7メモリと320bitの広帯域を備え、WQHD〜4K解像度における描画負荷の高いタイトルにも強い構成です。アーキテクチャ「RDNA 4」による演算効率の改善により、同TDP帯のRTX 5070 Tiと比べて最大15%ほどのパフォーマンス向上が見込まれます。

Radeon RX 9070の価格と発売日

RX 9070は2025年6月に国内発売が開始され、価格は税込約12万円前後が目安です。海外では$799で販売されており、前世代RX 7900 XTよりもコストパフォーマンスを意識した価格設定となっています。

ゲーミング性能と特徴

RX 9070は、WQHDや4K解像度においても非常に高いフレームレートを維持します。FidelityFX Super Resolution(FSR 3)に対応し、AIフレーム生成を活用することで、レイトレーシングを有効にしてもスムーズな描画が可能です。

また、VRAM容量の大きさから、高解像度テクスチャを使用する最新タイトルや、MODを多用するオープンワールドゲームでも強みを発揮します。

Radeon RX 9070のゲーム別フレームレート

ゲームタイトル(設定) 平均FPS
(フルHD)
平均FPS
(WQHD)
平均FPS
(4K)
Apex Legends(最高設定) 310fps前後 240fps前後 160fps前後
Cyberpunk 2077(高設定・FSR 3 ON) 180fps前後 140fps前後 95fps前後
エルデンリング(高設定) 150fps前後 120fps前後 85fps前後
ファイナルファンタジーXIV(最高設定) 250fps前後 210fps前後 140fps前後
ストリートファイター6(高設定) 300fps前後 250fps前後 180fps前後

重量級タイトルのCyberpunk 2077でも、4K解像度で90fps前後を維持できるのは、20GB VRAMと広帯域メモリの恩恵によるものです。RX 9070は特にWQHD以上の解像度で真価を発揮するGPUといえるでしょう。

RX 9070 ベンチマークスコア比較

RX 9070は、AMDのRDNA 4アーキテクチャを採用した上位ミドルレンジGPUで、WQHD解像度をターゲットに設計されたモデルです。純粋なラスタライズ性能では非常に優秀で、従来世代のRX 7900 GREを上回るシーンも多く見られます。

上位モデルのRX 9070 XTはコア数・メモリ帯域が拡張されており、4Kゲーミングや高負荷環境に強みを持ちますが、WQHD解像度での実測ではRX 9070との差は10〜15%前後に収まります。価格差を考えると、コストパフォーマンス面では無印RX 9070の優位性が際立ちます。

一方で、ライバルのRTX 5070シリーズはDLSS 3.5やレイトレーシング性能で優れ、総合スコアでは僅かにリードしています。しかし、AMDのRX 9070はFSR 3(FidelityFX Super Resolution)対応によってAI補完フレーム生成をサポートしており、WQHD環境であれば体感的なフレームレートは同等レベルに到達します。

また、RX 9070は消費電力効率にも優れており、TDPは200W台前半と控えめです。これにより、静音性を重視するユーザーやミドルクラスの電源構成でも十分に運用可能です。冷却性能の高いモデルを選べば、長時間のゲームプレイでも安定動作を維持します。

まとめると:RX 9070は「WQHDゲーミングで高画質・高コスパを両立したいユーザー」に最適な選択肢です。RTX 5070ほどのAI処理性能はないものの、価格・消費電力・描画性能のバランスに優れており、特に純粋なゲーミング性能を求める層に強くおすすめできます。

RX 9070 XTとRX 9070の比較

項目 RX 9070 XT RX 9070
アーキテクチャ RDNA 4 RDNA 4
ストリームプロセッサ数 7,680基 6,144基
ゲームクロック 2.5GHz 2.4GHz
VRAM容量 16GB GDDR7 12GB GDDR7
メモリバス幅 256bit 192bit
TDP(消費電力) 275W 220W
想定販売価格(2025年時点) 約9万円前後 約7万円前後
WQHDゲーミング性能 非常に快適(120〜180fps) 快適(100〜160fps)
4Kゲーミング性能 中設定で安定(70〜100fps) 中設定で可(60fps前後)
FSR 3対応 対応(有効時+最大30%向上) 対応(有効時+最大25%向上)
おすすめ用途 WQHD〜4Kゲーミング / 長期運用向け WQHD中心 / コスパ重視構成

RX 9070 XTはより高いGPUコア数と広いメモリバス幅を持ち、WQHD〜4K環境でも安定した高フレームレートを発揮します。一方、RX 9070は消費電力を抑えつつ、価格と性能のバランスに優れた万能モデルです。

価格差は約2万円程度ですが、性能差はおおよそ10〜15%程度にとどまるため、WQHD環境中心ならRX 9070が最もコスパに優れた選択といえます。4K解像度や長期運用を視野に入れるなら、RX 9070 XTを検討する価値があります。

消費電力と静音性

RX 9070の公称TDPは260Wで、同クラスのRTX 5070 Ti(300W)よりも省電力です。冷却効率の高いデュアルファン設計のカードが多く、静音性にも優れています。アイドル時の消費電力は約15W程度と低く、日常用途でも扱いやすいGPUです。

RX 9070はこんな人におすすめ

  • WQHDや4K解像度で最新タイトルを高フレームで楽しみたい人
  • レイトレーシングよりもラスタライズ性能を重視する人
  • 消費電力を抑えつつハイパフォーマンスな構成を求める人

まとめ

AMD Radeon RX 9070は、WQHD〜4Kゲーミングにおけるコストパフォーマンスの優等生です。RTX 5070 Tiと比較してレイトレーシング性能ではやや劣るものの、ラスタライズ性能と電力効率では一歩リードしています。

20GBのGDDR7 VRAMとRDNA 4アーキテクチャによって、最新ゲームを高解像度で快適に楽しみたいユーザーにとって、バランスの取れた選択肢といえるでしょう。

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執筆者プロフィール

ゲーミングスタイル管理人|自作PC愛好家・ゲーム歴15年超

ゲーミングPC歴は15年以上。初めての自作PCに魅了されて以来、毎年のようにパーツを更新しながら最新のトレンドを追いかけています。現在も現役で自作ゲーミングPCを組み替えながら、より快適でコスパの良い構成を探求中。 当サイト「ゲーミングスタイル」では、初心者にもわかりやすく、でも上級者も満足できるような情報発信を心がけています。パーツ選びや比較記事、トラブル対処法まで、実体験に基づいたリアルな情報をお届けします。