Windows 11が正式リリースされてから時間が経ち、ゲーミング用途での導入を検討するユーザーも増えてきました。本記事では、Windows 10とWindows 11でのゲーミングパフォーマンスの違いを、実際のベンチマークやプレイフィールをもとに比較しながら解説します。
Windows 11はゲームに最適化されている?
Windows 11では、マイクロソフトが「ゲーマー向けに最適化されたOS」と位置付けており、以下のような新機能を搭載しています。
DirectStorage対応:
読み込み速度の高速化(対応ゲーム・NVMe SSDが必要)
Auto HDR対応:
対応ゲームでの色表現の向上
新しいスケジューラー(Thread Director):
第12世代以降のIntel CPUに最適なスレッド割り当て
これらの機能は、特定の環境やゲームで効果を発揮する可能性がありますが、果たして体感できるほどの差があるのか、以下で実機検証を行います。
テスト環境と検証方法
使用マシン構成
項目 | 内容 |
---|---|
CPU | Intel Core i7-13700K |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 |
メモリ | DDR5-32GB(6000MHz) |
ストレージ | NVMe SSD(Gen4 1TB) |
OS | Windows 10 Pro / Windows 11 Pro(クリーンインストール) |
検証方法
- 両OSでクリーンインストール後、同一環境・ドライバで計測
- ベンチマーク:3DMark(Time Spy)、FF XIVベンチ、Cyberpunk 2077(ゲーム内ベンチマーク)
- FPS測定:Apex Legends、Valorant、Forza Horizon 5(リプレイ計測)
ベンチマーク結果の比較
テスト項目 | Windows 10 | Windows 11 | 差異 |
---|---|---|---|
3DMark Time Spy | 17200 | 17350 | +0.9% |
FF XIV ベンチ(高品質) | 19200 | 19350 | +0.8% |
Cyberpunk 2077(平均FPS) | 72fps | 74fps | +2.7% |
数値上はごくわずかにWindows 11の方が高い結果となっていますが、実際のプレイで体感できるほどの違いはありません。
実ゲームでのプレイフィールの違い
Apex Legends / Valorant(eスポーツ系FPS)
フレームレートはほぼ横並び(最大設定で240fpsに張り付き)
入力遅延や描画遅延の差は体感不可
Forza Horizon 5
Auto HDRが有効になることで、色の深みは増す印象
ロード時間が1〜2秒程度短縮(DirectStorage対応が影響か)
Windows 11へ移行するメリット・デメリット
メリット
最新ハード(第12世代以降のIntel CPU)との相性が良い
Auto HDRやDirectStorageといった将来的な機能拡張
デザイン・操作性のモダン化
デメリット
古いゲームでの互換性に若干の問題が報告されることがある
アップグレード直後に一部ドライバの不具合に遭遇するケースも
軽量な構成ではWindows 10の方が動作が軽いと感じる場面も
ゲーム用途なら今すぐWindows 11にするべきか?
現時点では「急いでアップグレードする必要はないが、環境が整っていれば問題なく移行可能」というのが結論です。
特に以下の条件に該当するユーザーは、Windows 11に移行してもパフォーマンス上のデメリットはほぼありません。
- Intel 第12世代以降のCPUを搭載している
- 高速なNVMe SSDを使用している
- 対応ゲーム(Cyberpunk 2077、Forspokenなど)をプレイしている
逆に、古い構成(第8世代以下のCPUやSATA SSD)で運用している場合、Windows 10のままでも不便を感じることは少ないでしょう。
まとめ|Windows 11は将来性重視で選ぶのが正解
Windows 11は、最新ハードウェアとの親和性や将来的なゲーム機能の進化を見据えるなら魅力的なOSです。現時点で大きな差は出ませんが、今後リリースされるDirectStorage完全対応タイトルでは、Windows 11の優位性がより顕著になる可能性があります。
新規でゲーミングPCを購入する方や、最新環境にアップグレードするタイミングにある方は、Windows 11を前提に構成を選ぶのがおすすめです。