Slay the Spire 2が初週300万本・同接57万人——12人で作ったインディーが塗り替えた記録の全容
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12人のインディースタジオが作ったデッキビルダーの続編が、早期アクセス開始からわずか2週間でSteam推定収益138億円を記録。同時接続57万人超はジャンル史上最高です
- 早期アクセス初週300万本、2週間で460万本・推定収益$9,200万(約138億円)
- Steam同時接続574,638人でデッキビルダー史上最高。前作ピークの約10倍
- 開発チームはわずか12人。UnityからGodotエンジンへの移行という大きな賭けを経ての快挙
目次
数字で見る「異常な」ローンチ
Slay the Spire 2は2026年3月5日にSteam早期アクセスを開始しました。その後の数字は、インディーゲームの常識を完全に覆すものでした。
この数字がどれだけ異常かは、他のインディーヒット作と比較すると一目瞭然です。
| タイトル | Steam推定収益 | 同時接続ピーク | 期間 |
|---|---|---|---|
| Slay the Spire 2 | $9,200万 | 574,638人 | 2週間 |
| Hades II | $8,200万 | 100,530人 | 累計(2024年5月〜) |
| Hollow Knight: Silksong | $8,300万 | — | 累計 |
| Balatro | — | 44,000人 | 累計 |
| 前作 Slay the Spire | $8,800万 | 57,025人 | 累計(7年間) |
前作がSteamで7年かけて積み上げた収益を、続編はたった2週間で超えました。同時接続は前作ピークの10倍。ウィッシュリストのコンバージョン率(購入転換率)は34%で、業界平均の7〜10%を大きく上回っています。
12人で作ったモンスタータイトル
この記録を打ち立てたMega Crit Gamesは、シアトルを拠点とするわずか12人のスタジオです。共同創業者のAnthony GiovannettiとCasey Yanoが2人で始めたチームは、前作の大ヒットを経ても大規模な拡大をしませんでした。
開発過程には大きな波乱もありました。2023年、Unityが「Runtime Fee」(インストールごとの課金)を発表した際、Mega Critは開発2年分のコードを捨ててオープンソースエンジンのGodotに移行するという決断を下しました。12人のチームにとっては相当なリスクでしたが、結果としてSlay the Spire 2はGodotエンジン最大のショーケースタイトルになっています。
なお、パブリッシャーは通さずセルフパブリッシュです。開発からマーケティング、コミュニティ運営まですべて自社で賄っています。
前作から何が変わったのか
Slay the Spire 2は「正統進化」と呼ぶにふさわしいアップデートを施しつつ、ジャンルの常識を破る新要素を加えています。
早期アクセス時点のコンテンツ量
| 項目 | Slay the Spire 2(EA) | 前作(正式版) |
|---|---|---|
| キャラクター | 5体 | 4体 |
| カード | 575枚以上 | 約350枚 |
| レリック | 278個 | 約180個 |
| ポーション | 63種 | 約40種 |
| Act | Act 1〜3(分岐あり) | Act 1〜3 + エンドゲーム |
早期アクセスの時点で、前作の正式版を上回るボリュームです。EA期間は12〜18ヶ月を予定しており、正式リリースは2027年中盤〜後半の見込み。コンソール版(PS5 / Xbox / Switch 2)は正式リリース後に対応予定です。
なぜここまで売れたのか
300万本という数字は「前作が面白かったから」だけでは説明がつきません。いくつかの要因が重なっています。
前作Slay the SpireはSteamだけで900万本以上を売り上げ、PC・コンソール・モバイル全プラットフォームで展開された「デッキビルダーの教科書」的存在です。この信頼が、ウィッシュリストコンバージョン率34%という異常値に直結しました。
「友達と一緒に遊べる」という要素が、購入の後押しとして強烈に機能しました。1人がウィッシュリストに入れていたユーザーが、発売と同時に友人を誘って4人で購入——こうした連鎖が初週の爆発力を生んでいます。
最低スペックはデュアルコア2GHz・RAM 4GB・VRAM 1GB。統合GPUでも動くレベルで、ゲーミングPCを持っていない層でもプレイ可能です。価格も2,800円と手が届きやすく、購入のハードルが極めて低い。
Slay the Spire 2の発売日が発表された途端、複数のインディーデッキビルダーが発売延期を決定。ジャンル内の直接競合がほぼゼロの状態で発売日を迎えたことも、数字を押し上げた一因です。
レビュー爆撃という「生みの苦しみ」
順風満帆に見えるローンチでしたが、発売から約2週間後にひとつの波乱がありました。
3月20日、開発元がベータブランチでバランス調整パッチ(v0.100.0)を公開したところ、1日で約9,000件の否定的レビューが投稿されるレビュー爆撃が発生。主にインフィニットコンボの弱体化に対する不満が原因で、中国語圏のプレイヤーからの投稿が大半を占めました。
Mega Critは1週間後の3月27日に一部変更をロールバックして対応。現在の全体レビューは英語圏で95%好評(Overwhelmingly Positive)、日本語レビューは91%好評(1,324件)と高い水準を維持しています。
バランス調整をめぐるコミュニティとの摩擦は、早期アクセスタイトルの宿命とも言えます。前作も同様のプロセスを経て最終的に高評価を獲得しており、今回も時間が解決する問題でしょう。
PCゲーマーのための基本情報
EA終了後に値上げ予定
Steam Deck対応
UI・字幕すべて日本語
VRAM 2GB・ストレージ4GB
推奨スペックを見てもわかるとおり、ゲーミングPCはもちろん、一般的なノートPCでも快適に動作するレベルです。「スペックが足りるか心配」という人はほぼいないでしょう。
まとめ——12人が証明したこと
Slay the Spire 2のローンチが示したのは、「良いゲームを作れば、規模は関係ない」という、シンプルだけれど忘れられがちな事実です。
12人のチーム。エンジンの全面移行という大きなリスク。パブリッシャーなしのセルフパブリッシュ。それでも2週間で138億円の収益を上げ、Steam歴代Top 20に名を連ねました。
早期アクセスはまだ始まったばかりです。今後12〜18ヶ月かけてコンテンツが追加され、正式リリース後にはコンソール版も控えています。前作が7年間愛され続けたように、Slay the Spire 2もまた長く遊ばれるタイトルになるでしょう。
2,800円で今すぐ始めるか、正式リリースを待つか——どちらにしても、2026年を代表するゲームのひとつであることは間違いありません。

