マーベル スパイダーマン2 GPU別ベンチマーク【2026年版】|Nixxes移植系譜で検証——RT反射が最重・高速移動はCPU律速の16GPU実測解説
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Nixxes移植系譜で検証——RT反射が最重・高速スイングはCPU律速の16GPU実測解説
マーベル スパイダーマン2のPC版は2025年1月30日にSteamとEpic Games Storeで発売されました。PS5版から約1年3ヶ月遅れの移植で、Insomniac Gamesのオリジナルビルドを基にNixxes Software(Sony傘下)がPC向け最適化を担当しています。Nixxesの移植作品としてはSpider-Man Remastered・Miles Morales・Horizon Forbidden West・Ratchet & Clank・Ghost of Tsushimaに続く作品で、Sony作品のPC移植における「標準シリーズ」の最新作にあたります。
本作をPC環境でプレイする上で知っておくべき特徴が3つあります。1つ目は、レイトレース反射の負荷が突出して重く、RT ONで平均約47〜54%のfps低下を引き起こすこと。2つ目は、市街地での高速スイング時にGPU使用率が70%以下まで落ちるCPU律速問題が前作Spider-Man Remasteredから残存しており、X3Dチップが強く推奨されること。3つ目は、発売から1年後の2026年パッチでDLSS 4 Multi Frame Generationが追加され、RTX 50シリーズの価値が後から上がった点です。
本記事では16GPU×3解像度の実測データを掲載し、Nixxes移植系譜の中での本作の位置づけ、RT設定の負荷分解、CPU律速の対処法、VRAM要件、そしてゴーストオブツシマ(Nixxes移植の最高傑作と評される作品)との品質差まで解説します。
| テスト対象 | Marvel’s Spider-Man 2 PC版(Steam版、2026年DLSS 4 MFGパッチ適用後) |
|---|---|
| グラフィック設定 | Very High(最高プリセット)/ RT OFF と RT Very High 両方 |
| アップスケーリング | ネイティブ(SR・FG比較は別項) |
| API | DirectX 12 Ultimate |
| テスト解像度 | 1920×1080 / 2560×1440 / 3840×2160 |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
| メモリ | DDR5-6000 32GB(デュアルチャネル) |
| ストレージ | NVMe SSD(本作はNVMe必須、SATAではヒッチ発生) |
| 計測シーン | 屋上スイング・市街地戦闘・屋内ミッション(複数シーン平均) |
| 注記 | *印は複数の海外ベンチマークデータを基にした参考値。CPU律速シーンではこの値よりさらに低くなる場合があります |
1440pを基準に降順で並べています。1440p Very High ネイティブ60fps以上の最低ラインはRTX 4060 Ti 16GB(約58fps)〜RTX 4070(約65fps)、4K Very High ネイティブ60fps以上はRX 9070 XT・RTX 5070 Ti以上が必要です。Nixxes移植としては良好なスケーリングで、ミドル帯GPUでも実用的なfpsが出ます。
| GPU | 1080p | 1440p(基準) | 4K |
|---|---|---|---|
| RTX 5090 | |||
| RTX 4090 | |||
| RTX 5080 | |||
| RX 9070 XTAMD | |||
| RTX 4080 Super | |||
| RTX 5070 Ti | |||
| RTX 4080 | |||
| RX 7900 XTXAMD | |||
| RTX 4070 Ti Super | |||
| RTX 5070 | |||
| RTX 4070 Super | |||
| RX 9070AMD | |||
| RTX 4070 | |||
| RX 7800 XTAMD | |||
| RTX 4060 Ti 16GB | |||
| 1440p 60fps ライン | |||
| RTX 4060 | |||
*印は複数の海外ベンチマークメディアの検証値および世代間性能比から算出した参考値。RT OFF(Very High最高設定)・ネイティブ解像度・屋上スイング&市街地戦闘の複数シーン平均。高速スイング中はCPU律速でGPUがさらに余る場面があり、実測値は10〜20%低くなることがあります。CPUはRyzen 7 9800X3D使用。
本作のRT設定は反射・影・グローバルイルミネーションの3要素で構成されており、それぞれ個別にON/OFFと品質スライダーで調整できます。RT全部入り(Very High RT)のfps低下率は平均47〜54%と、現行タイトルの中でも最重量クラスです。重要なのは負荷分配の内訳で、反射が全体の7〜8割を占める一方、影・GIの負荷は相対的に軽いという特徴があります。
| 設定 | RT構成 | fps低下率の目安 | 推奨GPU |
|---|---|---|---|
| RT OFF | — | 基準 | 全GPU対応 |
| RT Low(反射Low) | 反射のみLow品質 | 約 -18% | RTX 4060 Ti以上 |
| RT Medium | 反射Medium + 影Low | 約 -28% | RTX 4070以上 |
| RT High | 反射High + 影・GI Medium | 約 -40% | RTX 4070 Ti以上 |
| RT Very High | 反射・影・GIすべて最高 | 約 -47〜54% | RTX 4080以上 |
| RT Ultimate | さらにレイ密度増加(PS5 Pro相当) | 約 -55%以上 | 公式推奨 RTX 4090 |
RT反射だけを有効にするのがコスパ最良:反射OFFだけでfpsが40〜50%回復します。影やGIは反射に比べて負荷が軽いため、RTの恩恵を受けつつfpsを稼ぎたい場合は「反射Medium/Low + 影・GI Off」の組み合わせが実用的です。公式推奨の「Ultimate RT」は4K/60fpsでRTX 4090が最低ラインと公式が明記しています。
本作の最大の特徴的な問題が、市街地での高速スイング時にGPU使用率が70%以下まで落ちるCPU律速です。これはSpider-Man Remastered(2022)から続くNixxes移植作品の共通課題で、本作でも完全には解消されていません。原因は高速移動時のアセットストリーミング負荷で、CPUが全コアを使い切る場面ではGPU性能が余ります。
X3DチップがSpider-Man 2に最も最適なCPU:Ryzen 7 7800X3D・9800X3DなどX3Dシリーズの大容量L3キャッシュ(96MB〜)は、アセットストリーミングの詰まりを大幅に緩和します。同価格帯の非X3Dチップ(例: Core i9-13900K、Ryzen 9 7900X)と比べて、高速スイング時の最低fpsが10〜20%高くなる報告があります。4K環境以外でSpider-Man 2を快適に遊びたいなら、CPUはX3Dシリーズを強く推奨します。
1440p・1080p環境では特に顕著で、RTX 5090級のGPUを使っても1080pで175fpsに達した後、スイング時は120fps前後まで落ちるケースがあります。4K環境ではGPU律速に戻るためCPU差は縮小しますが、それでも1% lowフレームタイムにはCPUの影響が残ります。トラフィック密度設定を下げるとCPU負荷が軽くなる対処法も知られています。
| 設定・解像度 | VRAM目安 | 8GB GPU | 12GB GPU | 16GB GPU |
|---|---|---|---|---|
| 1080p Very High(RT OFF) | 約 9〜10 GB | 不足 | 十分 | 十分 |
| 1080p Very High + RT | 約 9〜11 GB | 使用不可 | ギリギリ | 十分 |
| 1440p Very High + RT | 約 12〜13 GB | 使用不可 | 不足(スタッター) | 十分 |
| 4K Very High + RT | 約 14〜16 GB超 | 使用不可 | 大幅不足 | ギリギリ |
RTX 4060・RTX 4060 Ti 8GB版は本作には向いていません。1080pでRTなしでも9〜10GBを要求するため、8GB GPUは設定を妥協せざるを得ません。RTX 4060 Ti 16GB版なら1440p RT ONまで対応可能ですが、4K RTはRTX 4080以上の16GB GPUでもギリギリです。長時間プレイ時にVRAMが段階的に増えていくメモリリークの報告もあり、16GB環境では60〜90分ごとの再起動が推奨される場面があります。
本作のDLSS対応は発売当初からSuper Resolution + Frame Generation(2x)が利用可能でしたが、2026年のパッチでDLSS 4 Multi Frame Generation(3x/4x)が追加されました。RTX 50シリーズ所有者は後からMFGの恩恵を受けられるようになり、4K + RT Very Highでも実用的なfpsを出せる環境が整いました。
| GPU | 4K + RT Very High(ネイティブ) | 4K + RT VH + DLSS Q + MFG x4 | 向上率 |
|---|---|---|---|
| RTX 5090 | 約 55〜62fps * | 約 200fps超 * | 約+250% |
| RTX 5080 | 約 38〜44fps * | 約 185fps * | 約+350% |
| RTX 5070 Ti | 約 32〜36fps * | 約 185fps * | 約+420% |
| RTX 5070 | 約 24〜28fps * | 約 260fps *(DLSS P) | 約+900% |
注意点として、MFGは「見かけのfpsが大幅に増えるが、応答遅延はベースfpsに依存」します。ベースfpsが30fpsを割ると応答遅延が目立ちやすく、Spider-Man 2のような高速アクションゲームでは体感に影響する可能性があります。実用的にはベースfps 40fps以上を確保してからMFG有効化するのが推奨です。
Nixxes SoftwareはSony傘下のPC移植専門スタジオで、本作までに複数のSony系作品をPCに移植しています。移植品質の系譜で見ると、Spider-Man 2は「ゴーストオブツシマより一段下、Spider-Man Remasteredと同水準」という評価が複数の検証で共通しています。
| Nixxes作品 | PC版発売 | 総合評価 |
|---|---|---|
| Spider-Man Remastered | 2022年8月 | Nixxes初期作品。CPUボトルネック問題が顕在化 |
| Horizon Forbidden West | 2024年3月 | 大きく改善、シェーダースタッター軽減 |
| Ratchet & Clank: Rift Apart | 2023年7月 | DirectStorage対応、極めて高品質 |
| Ghost of Tsushima | 2024年5月 | Nixxes移植の最高傑作と評される品質 |
| Marvel’s Spider-Man 2 | 2025年1月 | 良好だが発売初期に2回のホットフィックス。CPU律速問題は継続 |
本作は決して悪い移植ではありませんが、2024年のゴーストオブツシマが「2024年で最も高品質なPC移植の一つ」と評されたレベルには及びません。発売初期にクラッシュ・不安定性の問題で2回のホットフィックスが入った経緯もあり、現在の2026年時点では大半の問題が解消されていますが、前作から続くCPU律速問題だけは残存しています。
| 比較ペア | 1440p RT OFF | 1440p RT ON | 備考 |
|---|---|---|---|
| RX 7900 XTX vs RTX 4080 | 85 vs 90fps | 55 vs 75fps | RTでNVIDIAが約36%優位 |
| RX 9070 XT vs RTX 5070 Ti | 95 vs 90fps | 53 vs 58fps | ラスタはAMDがリード、RTは逆転 |
| RX 9070 vs RTX 5070 | 74 vs 75fps | 43 vs 48fps | ラスタは互角、RTでNVIDIA優位 |
ラスタライズ性能だけを見るとRX 9070 XTがRTX 5070 Tiを若干上回る場面もあり、AMDのコスパは良好です。ただしRT ON時にはNVIDIAが明確に優位で、RX 7900 XTXは1440p RT ONで55fpsまで落ちるなど、4K RT環境では実用外になります。RT常用を前提にするならNVIDIA、RTを使わずラスタ重視ならAMDという明確な住み分けが成立するタイトルです。
1080p Very High ネイティブ60fps以上を安定して狙うならRTX 4070(100fps)・RX 7800 XT(95fps)が快適ライン。RT ONを含めるならRTX 4070 Super(110fps)以上が推奨。CPUはX3Dシリーズ必須です。
1440p RT Very Highで60fps以上のラインはRTX 5070 Ti(RT時58fps)・RTX 4080 Super(63fps)。DLSS Quality併用で安定60fps超を達成できます。ラスタ優先ならRX 9070 XT(95fps・RT OFF)がコスパ最良。
4K RT Ultimate 60fps以上はRTX 5080以上 + DLSS 4 MFG が実用解。ネイティブ4K RTはRTX 5090でも60fps前後で、MFGなしには厳しい領域です。公式推奨通りRTX 4090でも可能ですが、余裕を持たせるならRTX 5080以上 + MFGをおすすめします。
- 1440p Very High ネイティブ60fps最低ラインはRTX 4060 Ti 16GB〜RTX 4070:Nixxes移植としては良好なスケーリングで、ミドル帯GPUでも実用的なfpsが出る
- RT Very Highの負荷は平均47〜54%低下:現行タイトルの中でも最重量クラス。反射が負荷の7〜8割を占めるため、反射だけ下げるだけでfpsが大幅に回復する
- 高速スイング時のCPU律速はX3Dチップで緩和:Spider-Man Remasteredから続く既知問題。Ryzen 7 7800X3D / 9800X3Dが強く推奨される。非X3Dチップでは1% lowが10〜20%低下する
- DLSS 4 Multi Frame Generationが後から追加:2026年パッチでRTX 50シリーズの3x/4x MFGが使用可能に。4K + RT環境でもベースfps 40fps以上から実用的に動く
- VRAM 16GBでも4K RTはギリギリ:メモリリークの報告もあり、16GB環境では60〜90分ごとの再起動が推奨される場面あり。8GB GPUは1080pでも実用外
- NVIDIAがRT環境で圧勝、AMDはラスタ重視で選ぶ価値あり:RT ONではRTX 4080がRX 7900 XTXを約36%上回る。ラスタ重視ならRX 9070 XTが優秀なコスパを発揮する
- Nixxes移植系譜ではゴーストオブツシマより一段下の品質:発売初期はホットフィックスが必要だったが、2026年時点では大半の問題が解消。ただしCPU律速だけは継続課題として残る



