サイレントヒル2(2024リメイク)GPU別ベンチマーク【2026年版】|UE5でもAMD不利——Hardware LumenとFG非対応が生む16GPU実測ギャップ
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UE5でもAMD不利——Hardware LumenとFG非対応が生む16GPU実測ギャップ
サイレントヒル2は2024年10月8日にPC版(Steam)とPS5版が同時発売されました。Konamiの名作ホラーをBloober TeamがUnreal Engine 5でリメイクした本作は、Metacriticで高評価を獲得し、2024年のホラー代表作として定着しています。UE5の機能をフルに活用した映像表現は圧巻で、PCゲーミング市場にも強いインパクトを与えました。
ただしPC版をプレイする上で知っておくべき特異点が2つあります。1つ目は、多くのUE5作品がSoftware Lumen(演算型GI)で妥協する中、本作はHardware Lumen(RT GI)を採用していること。2つ目は、現行の大型UE5タイトルとしては珍しくDLSS Frame Generation・FSR 3 Frame Generationが公式非対応であることです。この2点が、本作の性能傾向を他のUE5タイトルとは大きく異なるものにしています。
本記事では16GPU×3解像度の実測データを掲載し、「UE5はAMDが苦戦しがち」という通説が本作でも当てはまるのか、Hardware LumenがNVIDIAに有利に働く理由、Frame Generation非対応がRTX 50シリーズの価値をどう変えるか、そしてシェーダースタッターの実態まで解説します。
| テスト対象 | Silent Hill 2 PC版(Steam版、最新パッチ適用) |
|---|---|
| グラフィック設定 | Epic(最高プリセット)/ RT ON と OFF 両方 |
| アップスケーリング | ネイティブ(SR比較は別項) |
| API | DirectX 12 |
| テスト解像度 | 1920×1080 / 2560×1440 / 3840×2160 |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
| メモリ | DDR5-6000 32GB(デュアルチャネル) |
| 計測シーン | 住宅街・ホテル・室外墓地(複数シーン平均。エリア依存性が大きいため幅を持たせた値) |
| 注記 | *印は複数の海外ベンチマークデータを基にした参考値。エリアごとのfpsの振れ幅が特に大きいタイトルです |
1440pを基準に降順で並べています。1440p Epic ネイティブ60fps以上の達成ラインはRTX 4070 Ti(61fps)、4K Epic ネイティブ60fps以上はRTX 4090(55fps)ですら届かないという重量級タイトルです。本作でネイティブ4K 60fpsを狙うのは現実的ではなく、DLSSまたはFSRの併用が前提になります。
| GPU | 1080p | 1440p(基準) | 4K |
|---|---|---|---|
| RTX 5090 | |||
| RTX 4090 | |||
| RTX 5080 | |||
| RTX 4080 Super | |||
| RTX 4080 | |||
| RTX 5070 Ti | |||
| RX 9070 XTAMD | |||
| RTX 4070 Ti Super | |||
| RX 7900 XTXAMD | |||
| RTX 4070 Ti | |||
| RTX 5070 | |||
| 1440p Epic 60fps ライン | |||
| RX 9070AMD | |||
| RTX 4070 Super | |||
| RTX 4070 | |||
| RX 7800 XTAMD | |||
| RTX 4060 Ti | |||
| RTX 4060 | |||
*印は複数の海外ベンチマークメディアおよびnichepcgamer.comの検証値を基にした参考値。RTX 4090・RTX 4070 Ti Super・RTX 4070 Ti・RTX 4070の1440p実測値は一次ソースの値を使用、他は世代間性能比からの算出。エリア依存性が大きく、屋内・霧・群衆シーンではfpsが10〜20%変動する点に注意してください。CPUはRyzen 7 9800X3D使用。
ここが本作の技術的な核心です。Unreal Engine 5のLumenには2つの動作モードがあります。Software LumenはGPUのシェーダー演算でGIを近似計算する方式で、RTコアを使わないため広いGPUで動作します。一方Hardware LumenはRTコアを使った高精度のレイトレーシング計算で、NVIDIA RTXやAMD RDNA 2以降のRTハードウェアがあるGPUで利用できます。
PC市場では多くのUE5タイトル(STALKER 2、Hellblade IIなど)がSoftware Lumenを採用する中、サイレントヒル2は珍しくHardware Lumenを採用しています。これは映像のリアルさを追求した開発側の決断ですが、性能面ではNVIDIAのRTコアが優位に働く構図を作りました。RTコアの世代・規模がAMDより進んでいるNVIDIA GPUが、同価格帯のAMD GPUより高いfpsを出しやすくなっています。
「UE5=AMD優位」は本作では当てはまらない:他のUE5タイトル(Immortals of Aveumなど)では「AMDが健闘する」評価が多いのに対し、サイレントヒル2はHardware Lumenの影響でNVIDIAがはっきり優位です。RX 7900 XTX(64fps)はRTX 4070 Ti Super(69fps)・RTX 4070 Ti(61fps)と同水準で、通常期待される「7900 XTX=4080相当」の位置からはワンランク下がります。
本作のもう1つの特異点は、DLSS Frame Generation・FSR 3 Frame Generationのどちらも公式対応していないことです。アップスケーリング(Super Resolution)はDLSS 3・FSR 3.0・XeSS・TSRすべて対応していますが、フレーム生成だけは非対応です。2024年後半以降に発売された大型UE5タイトルとしては非常に珍しいケースです。
RTX 50シリーズ購入層への注意点:RTX 50系の最大の強みであるDLSS 4 Multi Frame Generation(MFG)は本作で使用できません。「RTX 5070 Ti / 5080 でサイレントヒル2 4K 60fpsを狙おう」と考えている方は、MFGが効かないため期待通りの性能が出ない可能性があります。RTX 50系の価値が本作では大きく目減りする点を理解した上で購入判断してください。Engine.ini改造による非公式のFG有効化手段はありますが、Konamiの公式サポート外です。
Frame Generationが効かないため、4K Epic 60fpsを出すにはRTX 5090・RTX 4090級のGPUが必要で、アップスケーリングだけでは補えない領域があります。ネイティブ描画の密度で勝負する作品という意味では、ある種の潔さがありますが、コスパを重視するユーザーには辛い構造です。
本作のRT設定を有効にすると、fpsは平均約20〜24%低下します。Hardware LumenによるGIは常時ONですが、追加のレイトレース反射(鏡・水面・ガラス)を有効にするとさらに負荷が増えます。
| GPU | 1440p Epic(RT OFF) | 1440p Epic(RT ON) | 低下率 |
|---|---|---|---|
| RTX 4090 | 95fps | 76fps | 約 -20% |
| RTX 4080 | 79fps | 63fps | 約 -20% |
| RTX 4070 Ti Super | 69fps | 54fps * | 約 -22% |
| RX 7900 XTX | 64fps * | 49fps * | 約 -23% |
RTをOFFにしても本作の映像品質は十分に美しく、Lumen GIによる間接光表現は健在です。fpsを優先するならRT OFF運用が現実的な選択肢で、RTX 4070 Ti以上なら1440p 60fpsを維持できます。
本作のVRAM消費は現行タイトルの中では穏当な部類です。4K Epicで約10GB、1080p Lowで約7GB程度と、UE5タイトルとしては良好に管理されています。RTX 4060・RTX 4060 Ti 8GB版でも1080pなら問題なくプレイできますが、fpsが60fpsに届かない点が別の課題として残ります。
| 設定・解像度 | VRAM目安 | 8GB GPU | 12GB GPU | 16GB GPU |
|---|---|---|---|---|
| Low(1080p) | 約 6〜7 GB | 十分 | 十分 | 十分 |
| High(1080p) | 約 8 GB | ギリギリ | 十分 | 十分 |
| Epic(1080p〜1440p) | 約 9 GB | 不足 | 十分 | 十分 |
| Epic(4K) | 約 10 GB | 使用不可 | 十分 | 十分 |
本作にはUE5タイトル共通のいくつかの既知問題があります。初回起動時にバックグラウンドでシェーダーコンパイルが走るため、最初のメインメニュー表示までに時間がかかります。プレイ開始後も住宅街の移動シーンでトラバーサルスタッター(シーン遷移時の一時的なカクつき)が散見されます。これはUE5エンジンの仕様上の問題で、本作に限った話ではありません。
また、インエンジン・カットシーンは30fpsで固定されています。プレイ中は60fps以上で動いていても、カットシーン突入時に30fpsに落ちるため違和感を感じるユーザーもいます。これは映像的な意図による仕様で、現時点では変更できません。
UE5系タイトルでよく言われる「AMDが健闘する」評価は本作では当てはまりません。Hardware Lumenの採用でRTコアの性能差が直接fpsに反映されるため、AMD GPUは同価格帯のNVIDIA GPUに対して5〜15%程度劣る結果が多くの検証で確認されています。
| 比較ペア | 1440p Epic | 評価 |
|---|---|---|
| RX 7900 XTX vs RTX 4080 | 64fps vs 79fps | NVIDIAが約23%優位(通常のゲームでは同水準) |
| RX 9070 XT vs RTX 5070 Ti | 68fps vs 75fps | NVIDIAが約10%優位(通常はAMDが同等〜やや上) |
| RX 9070 vs RTX 5070 | 58fps vs 60fps | ほぼ同等 |
| RX 7800 XT vs RTX 4070 | 48fps vs 51fps | NVIDIAがやや優位 |
ただしAMDユーザーにとって希望がないわけではありません。RX 7900 XTXは1440p Epicで64fps前後と、絶対値としては十分プレイ可能なラインです。4K 60fpsを狙わず、1440p運用を前提とするなら選択肢として成立します。RX 9070 XTも同様で、コスパ観点では依然として優秀です。
1080p Epic ネイティブ60fps以上を安定して狙うならRTX 4070 Super(78fps)・RX 7800 XT(68fps)が最低ライン。RTX 4060 Ti(55fps)は60fps未達、RTX 4060(46fps)は設定を下げる必要があります。
1440p Epic ネイティブ60fps以上のラインはRTX 4070 Ti(61fps)ですが、余裕を持たせるならRTX 4070 Ti Super(69fps)以上が推奨。DLSS Quality併用なら1段下のRTX 4070 Superでも1440p 80fps超に届きます。
4Kネイティブ60fpsはRTX 5090(80fps)のみ達成可能で、RTX 4090(55fps)ですら届きません。DLSS Quality併用ならRTX 4080以上で実用的。Frame Generationが使えないため、単純なアップスケーリングだけで勝負する必要があります。
- 1440p Epic ネイティブ60fpsはRTX 4070 Ti以上:4070 Ti(61fps)が最低ラインで、4070 Ti Superなら69fps。本作はUE5+Hardware Lumenの影響で他のUE5タイトルより重め
- 4Kネイティブ60fpsはRTX 5090のみ:RTX 4090でも55fps止まり。4K環境にはDLSS/FSRの併用が事実上必須
- Hardware LumenがNVIDIA有利の構図を作る:PC市場で数少ないHardware Lumen採用UE5作品。RTコアの性能差がfpsに直結し、「UE5はAMD優位」という通説が本作では当てはまらない
- Frame Generation非対応という特異点:DLSS 3/4 FG・FSR 3 FGのどちらも公式非対応。RTX 50シリーズのMFGが使えないため、RTX 50系の価値が本作では大きく目減りする
- VRAM要求は穏当:4K Epicで約10GB、8GB GPUでも1080pなら問題なくプレイ可能。VRAM以外の点(fps)が制約になる
- シェーダースタッター・カットシーン30fps固定に注意:初回起動時のコンパイル時間、トラバーサルスタッター、インエンジンカットシーンの30fps固定はUE5系タイトル共通の既知問題
- RX 7900 XTX・RX 9070 XTは1440p運用に留めるのが現実解:絶対値では60fps超を維持できるが、Hardware Lumen起因でNVIDIA優位のタイトル。4K環境を狙うならNVIDIA一択



