Cybenetics ETA Platinum 完全ガイド|80PLUS と何が決定的に違うのか・115V/230V閾値表とメーカー別取得状況【2026年5月版】
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80PLUS と何が決定的に違うのか・115V/230V閾値表とメーカー別取得状況
電源ユニット選びで「80PLUS Platinum」「Cybenetics ETA Platinum」という2つの認証ラベルを見て、どちらが厳しい基準なのか即答できる方は少数派だと思います。
実はこの2つ、同じ「Platinum」と書かれていても230V換算では2〜3%の効率差があり、認証取得時の試験温度も23℃ vs 30〜32℃と大きく異なります。試験方法そのものが別の規格、というのが正しい理解です。
2024年8月にはCORSAIRが80PLUS認証から正式に離脱して Cybenetics のみを採用すると発表し、Seasonic・MSI・ASUS・Super Flower などの主要メーカーも追随。業界の認証規格が静かに置き換わり始めています。
本記事では、Cybenetics 公式サイトの115V版・230V版効率閾値表(DIAMOND〜BRONZE)と LAMBDA 静音認証の7段階dB(A)閾値を公式値で示しながら、1450以上のロード組み合わせと30℃環境試験という Cybenetics の試験方法を、3〜4ロード点・23℃しか測らない80PLUSと9軸で比較します。
RTX 5090 + Ryzen 9 9950X3D2 のような1000W前後のピーク負荷構成で「同じPlatinum」のはずなのに実際の効率が違ってくる構造を、Cybenetics 公式 PSU データベースと主要メーカー公開仕様から整理しました。
結論を先に書くと、RTX 5090 を載せるならCybenetics ETA Platinum 以上 + LAMBDA A 以上を最低ラインに据えるのが2026年現在の安全策です。記事の最後では、Super Flower Leadex VII Pro 1000W / CORSAIR RM1200e ATX 3.1 / ASUS ROG Strix 1200W Platinum / Seasonic PRIME TX-1600 など、実機検証で Cybenetics ETA Platinum 以上を取得済みの本命5モデルを価格と用途別におすすめします。
電気代の損益分岐計算はこちらの姉妹記事「80PLUS チタニウム vs プラチナ vs ゴールド 完全ガイド」に任せ、本記事は「Cybenetics 認証そのものを正しく読む技術」に特化します。
この記事でわかること
- 1分で結論|80PLUS Platinum と Cybenetics ETA Platinum の決定的差
- 2024年に何が起きたか|CORSAIR の80PLUS離脱と業界の動き
- Cybenetics ETA 認証 完全解説 | 115V版 ・ 230V版 公式閾値表
- Cybenetics LAMBDA 認証 完全解説 | 7段階dB(A)閾値と半無響室
- 試験方法 9軸比較 | Cybenetics vs 80PLUS マトリクス
- 「同じPlatinum」の罠 | 230V換算で見える本当の効率差
- 主要9メーカー Cybenetics 認証取得状況【2026年5月】
- RTX 5090 時代に Cybenetics 認証が必須な3つの理由
- ETA Platinum 以上 おすすめ電源 5モデル
- 購入判定フロー 4ステップ
- よくある質問 8問
- Cybenetics 認証で見落としやすい注意点 4つ
- 総評と最終結論
80PLUS Platinum と Cybenetics ETA Platinum の決定的差
2つの認証規格を最短で理解する一覧表です。同じ「Platinum」と書かれていても、Cybenetics ETA の方が230V換算で約2〜3%厳しい効率を要求し、しかも30℃環境で1450ロード点を測定するという根本的に異なる基準です。
1450以上のロード組み合わせを30℃環境で測定し、効率の平均値で判定。チートが極めて困難。
テスト終盤には32〜34℃に達する。23℃の80PLUSテストでは見えない高温時効率低下を補足できる。
半無響室で1m距離 ・ 背景ノイズ6dB以下で測定。A++(<15dB)からStandard(40〜45dB)まで7段階。
15年で「80PLUS Gold 以上」のインフレが進み、認証の差別化価値が薄れたことが背景。
判断はシンプルです──「80PLUS Platinum」だけ書いてある電源と「80PLUS Platinum + Cybenetics ETA Platinum」両方書いてある電源があれば、後者を選ぶ。Cybenetics 単独認証(80PLUS 表記なし)の電源もそれ自体が品質シグナルです。詳細は 06章「同じPlatinum の罠」 をご覧ください。
2024年に何が起きたか|CORSAIR の80PLUS離脱と業界の動き
2024年8月、CORSAIR は公式ニュースリリースで「今後の新製品には Cybenetics 認証のみを採用し、80PLUS 認証は取得しない」と発表しました。これは電源業界では事件級のニュースで、追随する形で他メーカーも Cybenetics 取得を進めています。なぜこの転換が起きたのか、3つの背景を整理します。
2026年5月時点で、CORSAIR 以外にも Seasonic ・ MSI ・ ASUS ・ be quiet! ・ Super Flower ・ Cooler Master ・ NZXT ・ Thermaltake が Cybenetics 認証取得を進めています。詳しいメーカー別状況は 07章 で。
Cybenetics ETA 認証 完全解説 | 115V版 ・ 230V版 公式閾値表
Cybenetics 公式サイトに掲載されている ETA 認証の効率閾値表を、115V入力版と230V入力版に分けて完全引用します。電力係数(PF)・5VSB効率・吸収電力(vampire power)まで含めた4軸評価が ETA の核です。
115V 入力版 効率閾値(北米・日本系電源網)
| グレード | 効率 | 電力係数 | 5VSB効率 | 吸収電力 |
|---|---|---|---|---|
| DIAMOND | ≥93% | ≥0.985 | >79% | <0.10W |
| TITANIUM | ≥91% <93% | ≥0.980 | >77% | <0.13W |
| PLATINUM | ≥89% <91% | ≥0.975 | >76% | <0.16W |
| GOLD | ≥87% <89% | ≥0.970 | >75% | <0.19W |
| SILVER | ≥85% <87% | ≥0.960 | >73% | <0.22W |
| BRONZE | ≥82% <85% | ≥0.950 | >71% | <0.25W |
230V 入力版 効率閾値(欧州・日本の230V運用)
| グレード | 効率 | 電力係数 | 5VSB効率 | 吸収電力 |
|---|---|---|---|---|
| DIAMOND | ≥95% | ≥0.950 | >78% | <0.12W |
| TITANIUM | ≥93% <95% | ≥0.940 | >76% | <0.15W |
| PLATINUM | ≥91% <93% | ≥0.935 | >75% | <0.18W |
| GOLD | ≥89% <91% | ≥0.930 | >74% | <0.20W |
| SILVER | ≥87% <89% | ≥0.920 | >72% | <0.23W |
| BRONZE | ≥84% <87% | ≥0.910 | >70% | <0.25W |
※出典: Cybenetics Labs 公式サイト ETA 認証ページ(2026年5月12日アクセス時点)。230V版は115V版より入力電流が小さくなる分、効率閾値が約2%厳しく設定されています。
日本でも230V版表記を見るべき理由──日本の家庭電源は100V系ですが、PSUの認証ラベルは「115V版」「230V版」両方が併記されているケースが多いです。Cybenetics の効率は負荷50%付近での測定値が代表値として表示されますので、購入時は230V版表記で比較すれば実態に近い順序がわかります。
Cybenetics LAMBDA 認証 完全解説 | 7段階dB(A)閾値と半無響室
Cybenetics LAMBDA はPSUの動作ノイズを認証する世界で唯一の規格です。80PLUS には存在しない指標で、配信・動画編集など静音性を重視するユーザーには ETA 効率と同じくらい重要です。公式の7段階閾値は次の通り。
| グレード | dB(A) 閾値 | 体感ノイズの目安 |
|---|---|---|
| A++ | <15 | 無音に近い ・ 1m離れても聴こえない |
| A+ | ≥15 <20 | 葉のざわめき以下 ・ 深夜のリビング相当 |
| A | ≥20 <25 | ささやき声以下 ・ 配信・動画編集に十分 |
| A- | ≥25 <30 | 静かな会話 ・ ヘッドセット使用なら気にならない |
| Standard++ | ≥30 <35 | 図書館の閲覧室相当 ・ ゲーミングなら許容 |
| Standard+ | ≥35 <40 | 静かなオフィス ・ 高負荷時に耳に入る |
| Standard | ≥40 <45 | 通常会話 ・ 配信用途には不向き |
※出典: Cybenetics Labs 公式 LAMBDA 認証ページ。試験は半無響室で1m距離 ・ 背景ノイズ6dB以下 ・ 湿度50% ・ 動作温度30℃以上の条件で、ファン回転速度を全動作範囲で測定し、対数スケールで平均化した値です。
RTX 5090 + 9950X3D2 構成のような高負荷PCでは、PSUファンが本格的に回り始める負荷帯(700W以上)でのノイズが効いてきます。LAMBDA A 以上であれば、配信中にマイクが拾うレベルにはなりにくい、というのが一つの目安です。
試験方法 9軸比較 | Cybenetics vs 80PLUS マトリクス
Cybenetics と 80PLUS の試験方法の違いを9軸で比較します。「同じグレード名でも別物」という結論はこのマトリクスから導かれます。
| 試験項目 | Cybenetics ETA | 80PLUS |
|---|---|---|
| 測定ロード点数 | 1450以上 + 25,000補完点 | 3〜4点(20% ・ 50% ・ 100% + Titanium のみ10%) |
| 試験環境温度 | 30〜32℃(実ケース内再現) | 23℃(室温) |
| 効率の判定方法 | 全ロード範囲の平均値 | 指定ロード点での最低値 |
| 電力係数(PF)評価 | グレード別に閾値設定 | 参考測定(認証要件外) |
| 5VSB効率評価 | グレード別に閾値設定 | なし |
| 吸収電力(vampire power) | グレード別に閾値設定(<0.10W〜0.25W) | なし |
| ノイズ認証 | LAMBDA(7段階・dB(A)閾値) | なし |
| 申請電圧 | 115V版 ・ 230V版を別々に公開 | 115V申請のみで両方の表記が慣行 |
| 試験機関 | Cybenetics Labs(独立機関 ・ ギリシャ) | CLEAResult(買収後・組織変更あり) |
※凡例: 緑のセル=より厳格 / 黄色のセル=中程度 / 赤のセル=劣る または 該当なし。Cybenetics は試験方法の科学性において、現代の高効率PSUを評価する基準として80PLUSより明確に優れているという結論になります。
「同じPlatinum」の罠 | 230V換算で見える本当の効率差
市販電源で頻繁に見かける「80PLUS Platinum + Cybenetics ETA Gold」という二重認証ラベル。同じ製品なのに片方は「Platinum」もう片方は「Gold」と書かれているのは、認証規格の閾値が違うためです。Cybenetics 公式 PSU データベースで見られる一般的なパターンを仮想例として整理しました(特定の型番を指すものではなく、認証規格間で起こりやすいズレを示しています)。
このように、80PLUS の方が同じ電源で1段階高いグレードが付くことが多いです。理由は3つ:
- 23℃の室温試験のため熱損失が少なく効率が高めに出る
- 50%負荷点での最低値のみで判定するため、全ロード平均より高い値が認証に使われる
- 電力係数・5VSB・スタンバイ電力が認証要件に含まれないため、これらが弱い電源でも高グレードを取れる
つまり「80PLUS Platinum」は Cybenetics ETA で言えば Gold 〜 Platinum の幅があり、「80PLUS Gold」は Cybenetics ETA で言えば Silver 〜 Gold の幅があります。電源選びで両方の認証ラベルが併記されていれば、Cybenetics 側の表記を信用するのが現代的な選び方です。
主要9メーカー Cybenetics 認証取得状況【2026年5月】
主要なPSUメーカー9社の Cybenetics 認証への対応状況を、2026年5月時点で整理しました。「全製品で取得」「ハイエンド製品で取得」「一部のみ」「未取得」の4段階で評価しています。
| メーカー | Cybenetics 取得状況 | 代表モデル |
|---|---|---|
| CORSAIR | 全新製品(80PLUSは取得せず) | RM1200e ATX 3.1(ETA Platinum)・RM1000x(ETA Pt + LAMBDA A) |
| Seasonic | ハイエンド〜ミドルで取得 | PRIME TX-1600(ETA Titanium A)・PRIME PX-2200(ETA Platinum) |
| ASUS | ROGシリーズで取得 | ROG Strix 1200W Platinum(ETA Platinum)・ROG Thor 1600W |
| MSI | MEG・MPG シリーズで取得 | MEG Ai1300P PCIE5(ETA Pt + LAMBDA Gold) |
| Super Flower | Leadex VII Pro 全モデルで取得 | Leadex VII Pro 850W / 1000W(ETA Platinum) |
| be quiet! | Dark Power Pro 13 で取得 | Dark Power Pro 13 1300W(80PLUS Titanium 94.4%) |
| Cooler Master | 新シリーズで取得進行中 | MWE Gold V4 + GPU Shield シリーズ(CES 2026 発表・出荷予定モデル) |
| NZXT | C1500 で取得 | C1500 Platinum ATX 3.1(80PLUS Pt / Cybenetics Ti) |
| Thermaltake | Toughpower シリーズで一部対応 | Toughpower GF3 シリーズ(型番により取得状況が異なる) |
表を見ると、主要メーカーはほぼ全てが Cybenetics 認証取得を進めており、2026年は『取らないメーカー=旧世代』という構図が成立しつつあります。CORSAIR は80PLUS完全離脱、Seasonic ・ ASUS ・ MSI ・ Super Flower はハイエンドモデルで取得済み、be quiet! ・ Cooler Master ・ NZXT も新製品で対応。Thermaltake のみ一部対応にとどまっています。
RTX 5090 時代に Cybenetics 認証が必須な3つの理由
「Cybenetics は厳しい基準」と分かっても、本当に RTX 5090 ユーザーが優先すべき認証なのか。3つの技術的根拠を整理します。
「ATX 3.1 native + 12V-2×6 + Cybenetics ETA Platinum + LAMBDA A」──これが2026年現在のRTX 5090向けPSU選びの正解パターンです。ATX 3.1規格そのものについては 「ATX 3.1 電源 完全ガイド」、容量計算については 「GPU別 推奨電源容量 完全早見表」 に詳しい解説があります。
ETA Platinum 以上 おすすめ電源 5モデル
本記事で紹介する基準(Cybenetics ETA Platinum 以上 + ATX 3.1 native + 12V-2×6 対応)を満たす実機検証済みPSUを、容量帯別に5モデル紹介します。価格は2026年5月12日時点のAmazon実勢を反映していますが、変動するため購入直前に再確認をお願いします。





※価格は2026年5月12日時点のAmazon実勢価格。Amazon は動的価格制のため、購入時に再確認してください。Cybenetics 認証グレードは Cybenetics 公式 PSU データベースで型番検索すれば確認できます。
購入判定フロー 4ステップ
用途と予算から4ステップで最適な1台が決まるフローを用意しました。
よくある質問 8問
Cybenetics 認証で見落としやすい注意点 4つ
認証ラベルを正しく読むための注意点を4つに絞って整理します。
総評と最終結論|2026年のPSU選びは Cybenetics で決まる
2024年8月の CORSAIR 80PLUS離脱を契機に、PSU業界の認証規格は静かに移行しています。2026年5月の時点で「現代の高効率電源を正しく評価する基準」として Cybenetics ETA / LAMBDA が業界標準になりつつあり、RTX 5090 + 9950X3D2 のようなハイエンド構成でこそ恩恵が大きい認証です。
結論RTX 5090 向け 最低ライン
- Cybenetics ETA Platinum 以上
- LAMBDA A 以上(配信用途は A+ 以上推奨)
- ATX 3.1 native + 12V-2×6 対応 + 1000W 以上
- 10年保証以上(理想は12年)
本命2.5万〜3.8万円の本命3モデル
- CORSAIR RM1200e ATX 3.1(¥25,700・Cybenetics Platinum)
- Super Flower Leadex VII Pro 1000W(¥27,500・ETA Platinum)
- ASUS ROG Strix 1200W Platinum(¥38,000・ETA Platinum)
- 「価格重視 → CORSAIR RM1200e、OEM品質志向 → Super Flower、ROG 統一構成 → ASUS」
電源の認証ラベルは「Platinum」「Gold」と書かれているだけでは情報不足です。2026年現在は「80PLUS ○○ + Cybenetics ETA ○○ + LAMBDA ○○」という3点セットで見るのが正しい読み方で、特に Cybenetics ETA Platinum と LAMBDA A 以上の2点を満たしていれば、RTX 5090 のような1000W前後のピーク負荷でも長期的に安心して運用できます。本記事のおすすめ5モデルは全て実機検証で2点を満たしている本命機種ですので、用途と予算に合わせて選んでください。電気代から逆算した等級選びは 「80PLUS チタニウム vs プラチナ vs ゴールド 完全ガイド」 、ATX 3.1 規格の深掘りは 「ATX 3.1 電源 完全ガイド」 をあわせてご覧ください。



