ゲーミングPCの構成を考えるとき、ついCPUやGPUばかりに目が行きがちですが、安定性と長寿命を左右する最重要パーツの一つが「電源ユニット(PSU)」です。
この記事では、これからゲーミングPCを組む人・買い替える人向けに、電源ユニットを選ぶ際にチェックすべきワット数・80 PLUS認証・静音性・保護機能などの基準について詳しく解説します。
電源ユニットの役割とは?
電源ユニットは、コンセントから供給される交流電力を、PC内部の各パーツに最適な直流電力に変換して供給する装置です。
高性能なCPUやグラボを搭載するゲーミングPCでは、大量の電力が必要になるため、安定性・変換効率・冷却性能が重要になります。
どれくらいのワット数が必要?構成別の目安
まず注目すべきは「定格出力(W数)」です。以下は構成別の推奨ワット数の目安です:
構成例 | 推奨電源容量 |
---|---|
Ryzen 5 + RTX 4060 | 500〜550W |
Core i7 + RTX 4070 Ti | 650〜750W |
Ryzen 9 + RTX 4080 / 4090 | 850〜1000W以上 |
注意点として、TDPの合計だけでなく、将来的な拡張(グラボの追加・ストレージ増設など)も見越して10〜20%程度の余裕を持った容量を選ぶのが理想です。
変換効率の指標「80 PLUS認証」とは?
80 PLUS認証は、電源ユニットの変換効率を示す国際的な認証規格です。変換効率が高いほど、電力の無駄が少なく発熱も抑えられます。
認証ランク | 効率(50%負荷時) | 特徴 |
---|---|---|
80 PLUS | 80% | 最も基本的な基準 |
Bronze | 85% | コスパ重視の定番 |
Gold | 90% | 静音・発熱対策にも◎ |
Platinum | 92% | ハイエンド志向 |
Titanium | 94% | 最高効率&価格も高い |
ゲーミング用途では、Gold認証以上が推奨されます。長時間のゲームプレイでも安定した電力供給と静音性が期待できます。
静音性を左右するファンと内部設計
電源ユニットには冷却用のファンが搭載されていますが、品質によって動作音や振動が大きく異なります。
- セミファンレス対応:一定温度以下ではファンを停止し、完全無音を実現
- 高品質ベアリング搭載:耐久性・静音性に優れた流体動圧ベアリングなど
- 筐体の設計:ファンの位置や風の流れも静音性に影響
とくに夜間プレイや録音環境下で使うユーザーには、静音設計の電源ユニットが強く推奨されます。
安全性も重要!保護機能のチェックポイント
高性能なゲーミングPCでは、万が一のトラブルにも備える必要があります。以下の保護機能を備えた電源ユニットを選びましょう。
- OVP(過電圧保護)
- OCP(過電流保護)
- OPP(過負荷保護)
- SCP(短絡保護)
- UVP(低電圧保護)
信頼性の高いブランド(Corsair、Seasonic、Cooler Master、ASUSなど)を選ぶことで、これらの保護機能が標準搭載されていることが多いです。
おすすめ電源ユニット(2025年時点)
- Corsair RM750e(Gold認証 / セミファンレス):コスパと静音性の両立に優れたモデル
- Seasonic FOCUS GX-850(Gold認証):信頼性・安定性に定評あり
- ASUS ROG STRIX 1000W(Platinum認証):ハイエンド構成向けの最上位モデル
まとめ|電源ユニットこそ「妥協しない選択」を
電源ユニットは、PCの「心臓部」とも言える重要パーツです。スペック・認証・静音性・安全性を総合的にチェックして、長く安心して使えるモデルを選ぶことが、ゲーミング環境の安定性を支えます。
迷ったら「80 PLUS Gold」「750W以上」「セミファンレス対応」の製品を基準に検討すると失敗しにくいでしょう。
ハイスペック構成や配信を想定しているなら、余裕のある容量を確保しておくと後悔のない選択になります。