近年のゲーミングシーンでは、高リフレッシュレートモニターの普及により「144fps」の快適な描画環境が一般的になりつつあります。特にFPSや格闘ゲームなど、フレームレートが勝敗を左右するジャンルでは、144fpsの安定がゲーム体験に大きな差を生み出します。
しかし、ただ高性能なパーツを揃えるだけでは144fpsを維持できないことも多く、パーツの組み合わせやゲームごとの設定最適化が重要なポイントとなります。
本記事では、144fpsを安定して出すために必要なパーツ構成から、ゲーム設定の調整方法、日本の人気ゲームにおける実例までをわかりやすく解説していきます。これからゲーミングPCを組む人も、すでにPCを持っていてアップグレードを検討している人も、ぜひ参考にしてください。
144fpsを安定して出すメリットとは?
高リフレッシュレート(144Hz以上)のモニターと144fps以上の描画は、特にFPSや対戦ゲームで大きなアドバンテージを生みます。動きが滑らかになり、敵の位置や動作を瞬時に把握できるため、反応速度にも好影響を与えます。
ただし、144fpsを安定して出すには、PC側のスペックとゲーム設定がバランス良く最適化されている必要があります。
144fps安定に必要なPCスペックの目安
まず、144fpsを常時維持するには、以下のような構成がひとつの目安になります。
パーツ | 推奨スペック |
---|---|
GPU(グラボ) | RTX 4060 Ti / RTX 4070 以上 または RX 7700 XT 以上 |
CPU | Intel Core i5-14600K / Ryzen 7 7800X3D 以上 |
メモリ | 16GB(DDR5が理想) |
ストレージ | NVMe SSD(Gen4)推奨 |
モニター | 144Hz対応、応答速度1ms以下のゲーミングモニター |
GPUの性能がフレームレートに直結
144fpsの安定性を左右する最重要パーツはグラフィックボード(GPU)です。最新のRTX 4060以上のクラスであれば、フルHD環境なら多くのタイトルで144fpsを達成可能です。ただし、WQHD以上の高解像度や高設定を狙うならRTX 4070〜RTX 4080クラスが現実的です。
AMDであれば、RX 7700 XTやRX 7900 GREあたりが候補となります。
CPUはボトルネックを防ぐ役割
特にCPU負荷の高いゲーム(『VALORANT』や『CS2』など)では、CPUの性能も重要です。6コア12スレッド以上の高クロックCPUを選ぶことで、描画処理に追いつけずfpsが下がる「ボトルネック現象」を避けられます。
Ryzen 7 7800X3DやIntelの第14世代i5以上を選ぶと、快適な環境が構築できます。
ゲーム設定を調整して安定性を確保
ハードウェアが十分でも、ゲーム内の設定が高すぎると144fpsを維持できない場合があります。以下の設定を見直すことでフレームレートが向上します。
- 影の品質 → 中または低
- アンチエイリアス → オフまたはFXAA
- 描画距離や詳細度 → 中
- V-Sync → オフ(遅延回避のため)
- NVIDIA Reflex / AMD Anti-Lag → 有効
144Hzモニターの設定も忘れずに
意外と見落とされがちなのがモニターのリフレッシュレート設定です。Windowsの設定でリフレッシュレートが60Hzのままだと、たとえゲームが144fps出ていても表示は60Hzに制限されます。
設定方法:Windowsの「ディスプレイ設定」→「ディスプレイの詳細設定」→「リフレッシュレート」を144Hz以上に設定。
電源と冷却も見直したいポイント
GPUやCPUが高負荷になるほど消費電力と発熱も増します。144fpsを安定させるには、安定した電源供給と高性能な冷却も必要不可欠です。
- 電源ユニット:650W〜750W 80PLUS Gold以上推奨
- 冷却:高性能空冷クーラーまたは簡易水冷+エアフローの良いケース
実際に144fpsでプレイできるゲーム例(海外・国内タイトル)
構成次第で144fps以上を安定して出せるタイトルは多く、軽量FPSだけでなく、国産の人気ゲームにも対応可能です。
- 『VALORANT』や『CS2』(軽量FPS) … RTX 4060でも十分対応
- 『Apex Legends』『Fortnite』(中程度負荷) … RTX 4060 Ti〜4070推奨
- 『Cyberpunk 2077』『バルダーズゲート3』(重量級) … RTX 4070以上+設定調整が必要
- 『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(国産アクション) … RTX 4060 Tiで144fps可
- 『ストリートファイター6』(対戦格闘) … RTX 4060でも144fps達成可能
- 『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』(MMORPG) … RTX 4060〜4060 Tiで快適
- 『ペルソナ5 タクティカ』や『テイルズ オブ アライズ』 … 中負荷でRTX 4060クラスでも安定
和ゲーでも最適化が進んでいるタイトルが多く、RTX 4060〜4060 Tiクラスでも144fps環境が実現可能です。ただし、MOD導入やWQHD以上の解像度ではより上位のGPUが推奨されることもあります。
まとめ|ハードと設定の両面から最適化を
144fpsを安定させるには、GPUやCPUなどのハードウェアはもちろん、ゲーム内設定や冷却・電源の見直しも重要です。ミドルクラス以上の構成と最適な調整を行えば、快適な高フレームレート環境を実現できます。
特にFPSや格ゲーなどシビアな反応速度が求められるジャンルでは、144fpsの効果は絶大です。少しの投資が勝敗を左右するケースもあるので、妥協せずに環境を整えていきましょう。